2019年6月29日土曜日

ロンドンの手芸屋さん

久しぶりのブログ更新です。
ここ最近たて続けに「ロンドンの手芸屋さんを教えて」というリクエストをいただきましたので、今日の記事はそれをリストアップします。皆さんそれぞれニーズやお好みが違うでしょうから、期待外れの情報があるかもしれません。ただ、ロンドンへ来て「手芸屋さんってどこ?」と思っていらっしゃる方へ、これから書く情報が少しでもお役に立てればいいなと思います。

まずはオックスフォードサーカス駅周辺から。王道のLiberty。手芸関連は3階にあります。同じデパートならジョンルイスの方が意外とよく使える、と思うのは私個人の意見ですが、せっかくロンドンに来たから、とか、お友達へのプレゼントを探してます、とかいう方は趣のあるリバティーでお買い物を楽しまれるといいでしょう。
Liberty London
Regent Street
London W1B 5AH

リバティーからほど近いPoland Streetにある手芸店MacCulloch & Wallis。以前と比べると Poland Streetに移転してからのほうが商品を見やすくなったように思います。Kew Stitch Clubの会員のみなさま、額装のマウント作業で使うボタンホール糸はここで買えます。
MacCulloch & Wallis
25-26 Poland Street
London W1F 8QN

Poland Street から道1本トッテナムコートロード駅方面へ行くとBerwick Street。この通りにはたくさんの布屋さんがあります。そのうち2つをご紹介。
シルクの布が買えるお店が何軒かありますが、そのうち私がよく行くのはこちら。
The Silk Society
44 Berwick St, Soho 
London W1F 8SE

同じ通りですぐ近くにあるCloth House。いつも素敵なディスプレイ。地下階にも布があります。
Cloth House
47 Berwick St, Soho
London W1F 8SJ

布じゃなくてリボンやトリミング、ブレードなどをお探しの方は、オックスフォードサーカス駅よりも北側、ランガムホテルやBBCの方面へ上がっていくと、Barnett Lawsonというちょっとわかりづらいお店があります。ドアとブザーがあるだけなのですが、中へ入ってまた別のドアをあけると地下階に降りられるようになっています。
Barnett Lawson (Trimmings) Ltd
16-17 Little Portland Street, Marylebone
London W1W 8NE

もう少し足をのばせるなら、おしゃれなV V Rouleauxへ行くのも楽しいでしょう。ボンドストリート駅より北側、メリルボーンレーンを上がっていきます。
V V Rouleaux
102 Marylebone Lane, Marylebone
London W1U 2QD

肝心の刺繍の材料は?という方には、ちょっと中心部よりも北になりますが、ケンティッシュタウン駅の目の前にあるThe London Bead Companyをお勧めします。あれ、ビーズ屋さん?と思われるかもしれませんが、実はお店の奥の方へ入っていくとそれはそれはいろんな種類の刺繍糸や布が置いてあるのです。

The London Bead Co. Ltd.
339 Kentish Town Road, Kentish Town
London NW5 2TJ

ニードルポイント(キャンバスワーク)のお好きな方は、サウスケンジントン駅近くのTapisserieへどうぞ。以前はWalton Streetにお店がありましたが、現在はヴィクトリア&アルバート博物館からもほど近い場所(とんぼカフェの上)に移転しています。チェルシーやナイツブリッジの客層に合わせているのでしょうか手描きのキャンバスなど商品はかなり高額ですが、目の保養にいかがでしょう。
ドアを開けると階段を上がるようになっています。 
廊下のディスプレイも素敵です。 
Tapisserie
29a Thurloe Place
London SW7 2HQ

最後にもうひとつ。ロンドン郊外になってしまいますが、私の勤務する王立刺繍学校の刺繍スタジオに隣接するRSNショップ。手前味噌で恐縮ですが、私の手掛けた刺繍キットも販売されています。RSNショップはハンプトンコート宮殿の中にあります。事前に王立刺繍学校へ連絡すれば、パレスの入場チケットがなくても、お店に入ることができます。パレスを見学なさるなら、もちろん事前連絡の必要はありません。

Royal School of Needlework
Apartment 12a
Hampton Court Palace
Surrey, UK KT8 9AU

長い記事を読んでくださりありがとうございました。少しでもお役に立てれば嬉しいです。


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2019年3月25日月曜日

王立刺繍学校でプライベートレッスン

イギリスではいろいろな花が咲き始めて「ああ春になったな~」と実感するこの頃です。
今月はいろいろなお仕事が重なりいつも以上に多忙なのですが、忘れてしまう前に備忘録。
私は普段は刺繍職人として王立刺繍学校(Royal School of Needlework)の刺繍スタジオで働いていますが、今月は珍しくプライベートレッスンを担当しました。日本から旅行でイギリスへいらっしゃったKさん。滞在中に英国刺繍を習いたいけれど英語に自信がないということで、日本語の話せる私が1対1でレッスンすることに。
王立刺繍学校はロンドン郊外のハンプトンコートパレスの中にあります。
ハンプトンコートパレスは正面入り口のあるチューダー朝の建物がよく知られていますが、私たちがいるのはパレス内でも東側、ウィリアム&メアリーの時代に改築されたバロック様式の建物です。スタジオは1階なので普段の職場の窓からの眺めはこんな感じ。
今回のプライベートレッスンの教室は3階でしたから窓からの眺めはこんな感じ。
ちょうど角の部屋でしたから、フォーマルガーデンの木々やテニスコートの方角もよく見えました。
Kさんの短い滞在中に作品が出来上がるように、デザインは私がご用意しました。旅行中の移動のことも考慮して、刺繍枠は大きな角枠ではなく、10インチの丸枠でレッスン。
Kさんは飲み込みが早く、誠実に刺繍に取り組むお人柄で、私も楽しい時間を過ごさせていただきました。毎日たくさんの宿題を出してしまいましたが、最終日には無事にジャコビアン刺繍の作品を仕上げることができました。出来上がった作品はこちら。刺繍が終わったところ。
マウント作業もできました。日本へ戻られてから額を探すことに。お好みの額が見つかるといいですね。
Kさんが刺し終えたジャコビアン刺繍作品の写真を見た人たちから、これをキットにしてほしい、という嬉しいリクエストをいただきました。もうすぐ販売できるように準備しています。



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2019年2月28日木曜日

ジョン・ラスキン

「雅子さん、もうブログはやらないんですか?」と言われて、「ああ本当にブログを放置状態にしてしまっている」と猛反省しております。
さて、今日の記事はジョン・ラスキン展について。

私は週に一回シティー・オブ・ロンドンのセントポール大聖堂へ教会刺繍のボランティアに行っているのですが、そこからそんなに遠くないところにテンプルという地区があります。15年ほど前に大ヒットした小説ダ・ヴィンチ・コードでとりあげられたので知っていらっしゃる方も多いかと思います。
そのテンプル地区のTwo Temple Placeというゴシック建築のお屋敷で、ジョン・ラスキンの展示が開催されています。

ジョン・ラスキンは19世紀末の美術評論家、社会思想家で、ウィリアム・モリスに多大な影響を与えたといわれています。若いころの写真。

今年はジョン・ラスキンの生誕200年を記念していろいろなイベントが企画されています。このラスキン展はまずロンドンで。その後イギリス北部のシェフィールドで開催されます。ここからは画像が続きます。

建物の入り口。もうすでにワクワクします。
ゲストブックの置いてある窓辺にはモリス柄の壁掛けがありました。
冷たい雨の日だったのに、思った以上に人がいる!
2階にも展示は続いています。
建物自体が素晴らしくてため息が出ます。
写真を撮ってはいけない展示物もあったので、気を遣いました。
私も座って鑑賞したかったけれど、空席なし。
モリスのケルムスコットプレス版の「ゴシックの本質」。
ショップにはモリスの壁紙が。
刺繍家の私としては、英国湖水地方に伝わる刺繍ラスキンレースの展示が1つもないのが少し残念でした。ラスキンレースについてはまた別に記事を書こうと思います。

Two Temple Placeはロンドンの地下鉄ディストリクト線のテンプル駅からすぐ近くです。

このラスキン展は4月22日まで。入場無料です。10時から4時半まで。水曜日は夜9時まで。日曜日は開館が11時から。火曜日が休館ですのでご注意ください。

John Ruskin: The Power of Seeing
26 January 2019 - 22 April 019
Two Temple Place
Embankment, London
WC2R 3BD

公式サイトはこちらです。
https://twotempleplace.org/exhibitions/john-ruskin/



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2018年10月13日土曜日

ロンドンでステッチショー

久しぶりのブログ更新です。
今年も10月にロンドンのアレクサンドラパレスでThe Knitting & Stitching Showが開催されています。
例年通り私が運営している刺繍の会Kew Stitch Clubの会員の皆さんと一緒に団体割引入場券を購入しました。今年は多忙のため行けるかどうか不安でしたがなんとかスケジュールを調整して昨日行ってきました!ショーのサイトはこちら→
ここからは画像でどうぞ。

アレクサンドラパレスの入り口。今年は天候に恵まれました!
入り口を入るとたくさんの編みぐるみがお出迎え。
私のお気に入りはキング・チャールズ・スパニエルのこの子。

私の尊敬するテキスタイルの歴史家、刺繍家のDr Lynn Hulse。
今年の展示で一番感動したのはJenni Dutton というアーティストのThe Dementia Darnings という展示。認知症のお母様の介護の数年間で写真をもとに作品作り。キャンバスにチュールのネットを張ってその上からウールの糸で刺繍。一連の作品はグッと心にせまるものがあり、人ごみの中で涙を隠すのが一苦労でした。



第一次世界大戦終戦から100年を記念したプロジェクト。Embroideres' Guild
の展示。こちらも心を打たれました。
ニードルフェルトのワークショップに参加したり。
友人であるLes Designs のNikki Delport-Wepenerのデモンストレーションを見たり。
とにかく盛りだくさんな一日でしたが、もちろんお買い物も楽しめました。
こちらのおいしそうな(?)糸はStef Francisのもの。制作意欲がわきます。

アレクサンドラパレスでのショーは今週日曜日まで開催されています。
Alexandra Palace
Alexandra Palace Way, London N22 7AY


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2018年6月16日土曜日

ロイヤルウェディング裏話

英国のプリンス・ハリーとメーガン妃のロイヤルウェディングから4週間たちました。もうすでにいろいろな公務で大忙しのおふたり。
(ロイヤルウェディングの写真は全くないので、代わりにハンプトンコートパレスのローズガーデンの画像をどうぞ)

ご婚約が決まってからというもの、「王立刺繍学校がメーガンのドレスの刺繍をするんですか?」と何度質問されたでしょうか。7年前にウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウェディングで王立刺繍学校がアレキサンダー・マックイーンのドレスに刺繍をしたことが再び注目を集めたようです。
スタジオにもいろいろな取材が来ました。どのテレビ局も一応は「こういった番組の内容で。。。」というような口実(?)がちゃんとあるものの、「ところで何か大きなプロジェクトに取り組んでいるんではないんですか?」と聞いてきたり、「キャサリン妃のドレスのときの話を取材に来たけれど、ホントのところ、メーガンのドレスは?」などと直球で質問がきたり。
たくさんの人々にお伝えしましたが、あらためて申し上げると、今回のロイヤルウェディングでは、王立刺繍学校はドレス制作になにもかかわっていません。あのシンプルでエレガントなドレスはジバンシィのもの、コモンウェルス(英連邦)51か国の国花が刺繍されたというヴェールもジバンシィのチームが制作したのです。
つい最近久しぶりに連絡を取り合った友人から「アメリカのテレビに出ていたね」と言われてびっくりしました。そういえば、ロイヤルウェディング関する番組でのインタビューが行われているときに、スタジオで刺繍をする私たちが黒子のようにぼやけた状態ですがバックグラウンドで写っていたようです。自分の記録になるので、リンクを貼ってここに残しておきたいと思います。アメリカのPBSというテレビ局、日本でいうとNHKみたいな感じのところです。お時間のある時に見てみてください。遠く離れてなかなか会えない方々へ近況報告代わりに私の職場の雰囲気をちらっとでもお伝えできればそれだけで嬉しいです。








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