2017年9月1日金曜日

湖水地方でホリデー

今年の夏休みは湖水地方でホリデー。我が家の男性陣はウォーキング好きということもあって、機会があれば毎年のように湖水地方へ出かけます。

イギリスの湖水地方というと、ピーターラビットのビアトリクス・ポターとか、詩人のワーズワースとかが、観光客の方々には有名でしょう。残念ながら(?)我が家の男性陣はそんな観光スポットよりももっぱらトレッキング。50年代か60年代ぐらいにアルフレッド・ウェインライトという人が書いたガイドブックをもとに今年はこのルートにしようとか今度はこの山に登ってみようとか。実はこのウェインライトの湖水地方ガイドブックはロングセラーで、私たちは出版50周年記念バージョンの本を10年以上前に買いました。本のタイトルはA Pictorial Guide to the Lakeland Fellsで、7冊のシリーズになっています。この本のすごいところは、彼自身が描いたイラストです。彼のすすめるルートを歩いていくと本当に今でもその通りの光景が残っているのです。

私は今回はウォーキングは参加せず、湖を見て癒されていました。
今年泊まったのはアンブルサイドという街。15年以上も前に泊まった同じホテルにしました。当時も素敵なホテルでしたが、現在はオーナーが変わって、部屋も食事もすごくアップデートされていて快適な滞在でした。写真はホテルの一角。湖水地方についての本の上で虫眼鏡を抱えているウサギちゃんに目がくぎづけになってしまいました。


Rothay Manor Hotel
Ambleside, Cumbria, LA22 0EH
ホテルのウェブサイトはこちらhttp://rothaymanor.co.uk/

ウィンダミア湖にも歩いて行ける距離で、ある日の午後はボートでボウネスまで行って、丘の上にあるローラアシュレイホテルのThe Belsfieldで湖を眺めながらお茶をいただきました。ローラアシュレイのカタログそのもののようなインテリアでとても優雅な気持ちに。


アンブルサイドへ戻って湖の周辺を散策。ローマ遺跡なのに放牧されている牛たちが当然のように草を食べているのがなんとものどかな湖水地方です。

この地方で採石されるスレートで出来た石垣。簡単に越えられるように階段になっています。
私は今回のホリデー中に刺繍のワークショップに参加するという目的がありました。湖水地方に伝わるラスキンレースと呼ばれる刺繍です。長くなりそうなのでラスキンレースに関してはまた別の記事にして書きたいと思います。

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2017年7月27日木曜日

古い紙幣やコインが使えなくなったら?

ロンドンにはThreadneedle Streetという通りがあります。「糸」と「針」だなんて名前だけでワクワクするのは刺繍オタクの私だけでしょうか。

上の写真の通りのサインの下にUNDERGROUNDとなっているのはここに地下鉄バンク駅への入り口があるからなのです。

前回の記事でジェーン・オースティンの肖像が新しい10ポンド紙幣に使われることを書きました。
今日のニュースでは、今年3月から流通している新しい1ポンドコイン(12角形のもの)が古いコインよりも多くなり、今年の10月15日から古い1ポンドコインは使えなくなるという情報が。
5ポンド札も今年の5月5日を境に、新しい5ポンド札(ウィンストン・チャーチルの肖像が使われているプラスチックのような手触りのお札)しか使えなくなったばかり。
使えなくなった後でもしばらくの間は街の銀行や郵便局で交換してもらえますが、ずいぶん後になってから古いお金が見つかったらどうすればいいのでしょう?

実は私も経験があるのです。タンスの奥から古~い20ポンド札が数枚出てきたことが。へそくりとしてタンス貯金していた記憶などなかったし、旧20ポンド紙幣は2010年6月で流通中止になっていましたから、7年も経っているし「ええ~どうしよう!」という感じ。

さっそく調べると、イングランド銀行に行けば交換してもらえることが判明。何年たっていようが、お金の価値は変わらないそうです。イギリスに旅行に来たあと「次にまた行くからとっておこう」と古いお札を持ったままの方でも安心ですね。

イングランド銀行はシティーのバンク駅降りてすぐです。私は毎週セントポール大聖堂に刺繍のボランティア活動に行っていますから、ボランティアの日についでにバンクまで歩いていきました。

上の画像はイングランド銀行すぐ隣のロイヤルエクスチェンジ。今は高級ショッピングモールとなってしまった旧王立取引所です。ウェリントン将軍のブロンズ像の下にもThreadneedle Streetのサイン。

肝心のイングランド銀行は恐れ多くてカメラを向けることができませんでした。古いお金を持っている人も持っていない人も、いちど行ってみられては?実はBartholomew Lane側の入り口からイングランド銀行博物館に入ることができます。ロンドンの数ある博物館同様、入場料は無料です。

Bank of England

Threadneedle Street
London, EC2R 8AH

Counter opening hours
Monday to Friday: 9:00am - 4:00pm
Closed weekends & Bank Holidays

Bank of England Museum

Bartholomew Lane
London, EC2R 8AH

Opening hours
Monday to Friday: 10:00am - 5:00pm
Last entry: 4:30pm
Closed weekends & Bank Holidays

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2017年7月18日火曜日

ジェーン・オースティンと刺繍

前回の記事を更新してから随分と時間がたってしまいました。めまぐるしいほどの忙しさもだんだんと落ち着いてきましたので、これから頑張って記事をアップしていきたいと思います。

今日7月18日にイングランド銀行が新しく発行する新10ポンド札のお披露目がありました。日本でも紙幣が新しくなると誰の肖像が使われるかと話題になりますが、今回のイギリスの新10ポンド紙幣に登場するのは、イギリスの著名な作家ジェーン・オースティンです。

新しい紙幣が私たちの手元に出回るのは9月になってからですが、ジェーン・オースティンの没後200年を記念するイベントの一環として、新しい10ポンド札のお披露目がウィンチェスター大聖堂にて行われました。この大聖堂にジェーン・オースティンは葬られているのです。

このニュースを読んで、私は以前ジェーン・オースティンが住んでいた家を訪ねた時のことを思い出しました。ハンプシャー州のチョートンという村にあるジェーン・オースティン・ハウス博物館です。(住所はこの記事の最後を参照ください)

私は車で出かけましたが、公共交通機関を使っても訪ねることができるそうです。

学生時代にイギリス文学に興味があったわけではないので、彼女の小説を読んだり小説をもとに作られた映画やテレビドラマを見たのはイギリスに住むようになってからでした。彼女にゆかりのあるウィンチェスターやバースの街ではなく、なぜこの小さな村のコテージへ行ってみたかったのかというと、ジェーン・オースティン自身が刺繍をたしなんでいて、その作品が見られるということを知ったからなのです。

ここからは写真が続きます。まずはジェーン・オースティン自身の作品。モスリンのショールです。このホワイトワークのサテンステッチを見ると彼女がとても丁寧に美しく刺繍する人だったことがうかがえます。
ジェーン・オースティンが姪っ子に作ってあげたニードルケース。
ジェーンのソーイングケース。コットンとシルクの糸が入っています。
ジェーンの姉カサンドラの作品。とても魅力的なサンプラーです。

没後200年を記念してますます注目されるジェーン・オースティン。イギリスに来た当初はなぜ彼女の小説がそんなに高く評価されるのか正直言って私は理解できませんでした。でも彼女の小説を通して18世紀や19世紀のイギリスの中流階級の社会の様子を知るようになりました。映画などで女性たちが刺繍をするシーンがあるとワクワクしました。今でもたくさんの人々に愛されているジェーン・オースティン。新しい10ポンド紙幣に女性として初めて(女王陛下以外で)彼女が選ばれたことも納得、という感じです。

ジェーン・オースティンが晩年過ごした家の住所はこちら。ウェブサイトもあります。

Jane Austen's House Museum
Winchester Road
Chawton
Hampshire
GU34 1SD



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2017年5月31日水曜日

オックスフォードのアシュモレアン博物館

先日オックスフォードまで行ってきました。アシュモレアン博物館へ刺繍の展示を見に行きたかったのです。アシュモレアン博物館には常設で17世紀のスタンプワークなど歴史ある刺繍作品が展示されているのですが、今回はそれに加えてThe Needles Excellency Exhibition という Dr Lynn HulseとNichola Jarvisの生徒さんたちによる作品も展示されているとのこと。とても興味がありました。
オックスフォードへはロンドンから車で1時間半から2時間弱ぐらいで到着できます。電車で行く方もいらっしゃいますが駅からアシュモレアン博物館の距離を考えると、ロンドンビクトリアから出ている高速バスに乗る方が降車の際にオックスフォードの街の中心を通るので便利なように思います。

私は運よくベリオール・コレッジの近くに駐車することができました。
アシュモレアン博物館はThe Randolphと呼ばれるホテルの向かい側。
このホテルはテレビシリーズのInspector Morseで撮影に使われた場所でもあり、私が初めてオックスフォードを訪れた時に泊まった思い出のホテルでもあります。
肝心のアシュモレアン博物館の外観の写真を撮り忘れてしまいましたが、いざお目当ての展示へ。

なかなかいい写真が撮れず、一枚だけご紹介します。箱の蓋部分はNichola Jarvisのデザインです。生徒さんたちは側面をそれぞれ自由に好きなモチーフで刺繍しています。作品の数は多くありませんが、ひとつひとつの作品をじっくり見ているとあっというまに時間が過ぎていきます。
常設展示ももちろん見に行きました。ガラス越しにすぐ見られるものも、引き出しを開けないと見られないものも、どれも見ごたえがある刺繍です。何百年も時を超えて大切に保存されていることに感激しますし、刺繍の歴史に圧倒されます。

The Needles Excellency Exhibition は6月4日まで開催されています。開館時間は午前10時から午後5時まで。月曜日が休館日です。入場料は無料です。

Ashmolean Museum
Beaumont St
Oxford
OX1 2PH


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2017年4月17日月曜日

咲き乱れて

今日はイースターマンデー。イギリスではGood Fridayとよばれる金曜日からEaster Mondayとよばれる月曜日までの4連休です。キリストが十字架にかけられてから復活したことをお祝いする行事。やはりイギリスはキリスト教の国なんだなあと感じます。

3月末から日本へ一時帰国していました。このたびご縁があって、東京代官山の輸入手芸キット販売店アードフィルさんにて、Masako Newton Embroideryのオリジナルキットを販売していただけることになりました。日本の皆さんにも私のキットを楽しんでいただけたら、こんなに嬉しいことはありません。アードフィルさんのフェイスブックページはこちら

イギリスへ戻ってくると、花が咲き乱れて春爛漫!写真を撮らずにはいられません。刺繍のデザインのヒントになるといいのですが。





一番下の花は野草だと思うのですが、可憐なピンクの花が「私を見て!」と話しかけているような気がして、カメラを向けずにはいられませんでした。

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2017年3月25日土曜日

テロに遭ったら

今週水曜日にロンドンのウェストミンスターでテロ事件がありました。

お亡くなりになった方々や負傷した方々、そしてそのご家族・友人の方々のことを思うと、やるせない気持ちです。


2005年のロンドン7/7同時爆破テロがあってから、かなりいろいろな対策が取られ、また2015年11月のパリ同時多発テロ以降は、いつかはロンドンも同じようなテロに遭うだろうと想定して、テロに遭ったらどうすればいいか、などのガイダンスが一般市民にも広く知れ渡るところとなりました。

私は王立刺繍学校のあるハンプトンコートパレスとボランティア活動をしているセントポール大聖堂の両方からガイダンスを受けましたが、同じ内容で、Run. Hide. Tell.というものです。Run.まずは逃げる(逃げられそうな場合は)。普段から安全な場所への避難経路を確認しておく。Hide.もしも逃げられない状態ならば隠れる。携帯はサイレントモードにして犯人グループに気づかれないようにする。Tell.携帯が使えそうな状態になったら999へ電話して、場所、負傷者の数、犯人グループについてなどなど、できるだけ様子を伝える。
このようなガイダンスを受けてきた私たちは、いつかはテロに遭うかもしれない、と思いながらも、これまで何度も未然にふさがれてきたというニュースを聞くと、イギリスのテロ対策は素晴らしいのだと思って過ごしてきましたし、今でもそう思っています。

今回のウェストミンスターでのテロは、爆発物や銃を使った犯行ではなかったし、普段から多くの市民や観光客が歩いている橋の歩道に車が突っ込んでくるなんて誰が想像したでしょうか。国会議事堂の前で殉職した警察官が銃を所持していれば、なんてテレビでコメントする人もいましたが、どんなに準備をしていても、テロは人々を怖がらせるために突然やってくるのです。


亡くなられた方々への哀悼の意と「私たちはテロには屈しない」という強い気持ちを胸に、普段通りの生活を続けていきたいと思います。

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2017年2月28日火曜日

キューガーデンズでボタニカルアート展

久しぶりのブログ更新です。もっと頻繁に記事が書けるようにルーティンを考えなくてはなりませんね。。。

さて、先週末キューガーデンズで行われているFlora Japonicaというボタニカルアート展に行ってきました。ボタニカルアーティストの山中麻須美さんがトークをしてくださるガイドツアーにお友達が申し込んでくれたのです。

キューガーデンズの駅を出るとすぐにサインがあります。
ヴィクトリアゲートから入ります。
入ってすぐ左方向へずんずん進んでいくと、またサインが。
会場はThe Shirley Sherwood Gallery of Botanical Art
中での撮影はできませんでしたが、山中さんのお話はとてもわかりやすくそして情報量が豊かで、大変勉強になりました。

山中さんのお話の中でとくに印象に残っているのは、日本の植物画家の構図のとりかたは西洋の植物画家と比べると余白が多い、ということでした。この本の表紙がいい例です。
余白のおかげで本のタイトルがすっきりおさまっていますね。実物を拝見すると、この真っ白なスペースがとても効果的な芸術作品だと感じました。(Botanical illustration 'Acer Palmatum' on the book cover is by Kyoko Ohara.) 

余白の使い方ーこれは私が刺繍のデザインを考えるときも日本人的な感覚が無意識のうちに出ているということがわかった瞬間でした。数年前にシルクシェーディングの技法で枝にとまっている小鳥のロビンを刺繍した時のことです。日本の掛け軸のような感じにしたくて、刺繍した上の部分にたくさんの余白を残して額装したのです。王立刺繍学校の先生に「わざと余白を多くしている理由を添えて提出しなさい」とアドバイスいただきました。そうでなければ成績審査で少し減点されていたかもしれません。
構図を考えるときに、余白を効果的に使う、というのは、日本の「わび・さび」の概念に通じるものがあるのではないかな?と思っています。完璧な左右対称の美しさや永遠の美しさよりも、はかないものや、すこし不完全のものに、心を惹かれるのは、日本の美意識なのかもしれません。

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2017年2月17日金曜日

新しいリボン刺繍の本

刺繍というと、ごく一般的にコットンの25番刺繍糸でするもの、という意識がありますが、普通の刺繍糸以外の材料を使う刺繍もあります。イギリスの伝統刺繍のひとつゴールドワークはメタル素材を使いますし、ジェームス1世の時代に流行ったと言われるジャコビアン刺繍はウールの糸を使います。今日ご紹介するのはリボンを使ったリボン刺繍。

仲良くしていただいている王立刺繍学校の先生ソフィーが新しくリボン刺繍の本を出版しました。Ribbonwork Embroidery: Techniques and projects by Sophie Long

(Photo credit: Sophie Long)

表紙になっているハートのリボン刺繍に取り組んだことがあります。私が運営しているKew Stitch Club の特別ワークショップとしてソフィー先生をご招待したのです。

ワークショップ当日はハート形の半分しか刺せませんでした。残りは自分で!

リボンを使う前にまずは25番刺繍糸で葉っぱをステッチ。

リボンはシルクリボンで、デリケートな風合い。ステッチの種類によってはかなりのボリュームがでます。この立体感がなんとも可愛い感じです。

ソフィー先生のキットにはスパングルがたくさん入っていましたが、私はあんまりキラキラしたのは好みでないので、控えめに施しました。

この新しいリボン刺繍の本の出版記念イベントが明日開催されます。

Sophie Long Ribbonwork Embroidery Book Lauch

日:   Sat 18th February, 2017
時間:  11:00 – 14:00
場所:  The Sunbury Embroidery Gallery
     The Walled Garden, Thames Street, 

     Shepperton, Sunbury-on-Thames, Surrey 
     TW16 6AB United Kingdom

お近くの方はぜひどうぞ。ソフィーに会えるし、サイン入りの本を購入できます。私も明日行こうと思っています。


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