2017年2月28日火曜日

キューガーデンズでボタニカルアート展

久しぶりのブログ更新です。もっと頻繁に記事が書けるようにルーティンを考えなくてはなりませんね。。。

さて、先週末キューガーデンズで行われているFlora Japonicaというボタニカルアート展に行ってきました。ボタニカルアーティストの山中麻須美さんがトークをしてくださるガイドツアーにお友達が申し込んでくれたのです。

キューガーデンズの駅を出るとすぐにサインがあります。
ヴィクトリアゲートから入ります。
入ってすぐ左方向へずんずん進んでいくと、またサインが。
会場はThe Shirley Sherwood Gallery of Botanical Art
中での撮影はできませんでしたが、山中さんのお話はとてもわかりやすくそして情報量が豊かで、大変勉強になりました。

山中さんのお話の中でとくに印象に残っているのは、日本の植物画家の構図のとりかたは西洋の植物画家と比べると余白が多い、ということでした。この本の表紙がいい例です。
余白のおかげで本のタイトルがすっきりおさまっていますね。実物を拝見すると、この真っ白なスペースがとても効果的な芸術作品だと感じました。(Botanical illustration 'Acer Palmatum' on the book cover is by Kyoko Ohara.) 

余白の使い方ーこれは私が刺繍のデザインを考えるときも日本人的な感覚が無意識のうちに出ているということがわかった瞬間でした。数年前にシルクシェーディングの技法で枝にとまっている小鳥のロビンを刺繍した時のことです。日本の掛け軸のような感じにしたくて、刺繍した上の部分にたくさんの余白を残して額装したのです。王立刺繍学校の先生に「わざと余白を多くしている理由を添えて提出しなさい」とアドバイスいただきました。そうでなければ成績審査で少し減点されていたかもしれません。
構図を考えるときに、余白を効果的に使う、というのは、日本の「わび・さび」の概念に通じるものがあるのではないかな?と思っています。完璧な左右対称の美しさや永遠の美しさよりも、はかないものや、すこし不完全のものに、心を惹かれるのは、日本の美意識なのかもしれません。

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2017年2月17日金曜日

新しいリボン刺繍の本

刺繍というと、ごく一般的にコットンの25番刺繍糸でするもの、という意識がありますが、普通の刺繍糸以外の材料を使う刺繍もあります。イギリスの伝統刺繍のひとつゴールドワークはメタル素材を使いますし、ジェームス1世の時代に流行ったと言われるジャコビアン刺繍はウールの糸を使います。今日ご紹介するのはリボンを使ったリボン刺繍。

仲良くしていただいている王立刺繍学校の先生ソフィーが新しくリボン刺繍の本を出版しました。Ribbonwork Embroidery: Techniques and projects by Sophie Long

(Photo credit: Sophie Long)

表紙になっているハートのリボン刺繍に取り組んだことがあります。私が運営しているKew Stitch Club の特別ワークショップとしてソフィー先生をご招待したのです。

ワークショップ当日はハート形の半分しか刺せませんでした。残りは自分で!

リボンを使う前にまずは25番刺繍糸で葉っぱをステッチ。

リボンはシルクリボンで、デリケートな風合い。ステッチの種類によってはかなりのボリュームがでます。この立体感がなんとも可愛い感じです。

ソフィー先生のキットにはスパングルがたくさん入っていましたが、私はあんまりキラキラしたのは好みでないので、控えめに施しました。

この新しいリボン刺繍の本の出版記念イベントが明日開催されます。

Sophie Long Ribbonwork Embroidery Book Lauch

日:   Sat 18th February, 2017
時間:  11:00 – 14:00
場所:  The Sunbury Embroidery Gallery
     The Walled Garden, Thames Street, 

     Shepperton, Sunbury-on-Thames, Surrey 
     TW16 6AB United Kingdom

お近くの方はぜひどうぞ。ソフィーに会えるし、サイン入りの本を購入できます。私も明日行こうと思っています。


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2017年2月10日金曜日

ユーロスターでパリへ

先日ユーロスターに乗ってパリに行ってきました。
朝7時にロンドンのセントパンクラス駅を出発して夜10時半ごろに戻ってくるという弾丸日帰り旅行です。
出発の30分前にはチェックインが閉まってしまうので、余裕をもって早く到着しました。
いざチェックイン。あらかじめプリントアウトしておいたチケットのQRコードをかざして改札機を通ります。

セキュリティーチェックと出入国の手続きが終わったら、搭乗の案内があるまで待合スペースでゆっくりしました。朝早かったので、コーヒーとクロワッサンを手にしているひとが多かったです。
いよいよプラットホームへ。あ、新型車両です。

この新型車両だと全席無料でWi-Fiが使えます。通路の上にスクリーンがあって、いろいろ教えてくれます。

「この電車はパリまで直行します。」というお知らせ。フランス語ができないのにどうしてわかったかって?それは英語のお知らせの画面を先に読んでいたからです~。

うとうとしているうちにパリ北駅へ。時差は1時間です。早速メトロの切符を自動券売機で買って,4番線と12番線を乗り継いで到着したのがこちら。

この日はパリの「針の祭典」と呼ばれる展示会があったのです。イギリスで開催される「The Knitting & Stitching Show」のようなものです。
ショーの様子は私が運営しているキューステッチクラブのブログで詳しくご紹介しています。一番印象に残ったデンマークの白糸刺繍の展示の中から写真を一枚。

作品展示を見るだけでなく、お買い物も十分楽しみました。会場をあとにしてメトロに乗り、お気に入りのデパート、ボンマルシェへ。食品売り場で家族へのおみやげも忘れずに。その後はまたまたメトロを乗り継ぎパリ北駅へ戻ってきました。駅前の小さなブラッセリーで夕食。ムール貝はRのつく月に食べるものよ、とお友達から聞いていました。2月はFebruary、ちゃんとRの文字ががついています。
今回は王立刺繍学校の先生、マーガレットとの2人旅。刺繍の話をいろいろしながら帰途につきました。帰りは旧型車両。直行でもなく、途中でケント州のアシュフォードに停車しました。今回は2か月ほど前に手配していたので、ユーロスターのチケット代は往復69ポンド。海をへだてているけれど、ロンドンとパリは近い、という気持ちになります。
無事にセントパンクラス駅に着きました。まだロンドン地下鉄が動いている時間でしたから、帰りもスムーズでした。
私の備忘録的な記事ですが、この情報がどなたかのお役に立てられれば嬉しいです。

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2017年2月4日土曜日

英国王立刺繍学校(Royal School of Needlework)

今日は、私が勤務している英国王立刺繍学校(Royal School of Needlework)についてご紹介します。
Royal School of Needlework(以下RSN)は、ヘンリー8世が住んでいたことで有名なハンプトンコートパレスの中にあります。

ロンドン中心のウォータールー駅からナショナルレイルでハンプトンコート駅行きの電車に乗れば30分ほどで到着しますが、この電車は1時間に2本しかありませんので、もしも乗り遅れたりした場合は、違う電車で近くの街のキングストン駅まで行き、そこからハンプトンコートパレスまでバスに乗る、という方法もあります。
上の写真は晴れた日に撮ったので青空で明るい感じですが、冬の間はどんよりしたお天気が多いです。下の写真はパレスのローズガーデン。寒い冬の間は庭の彫刻は白い布で覆われて保護されています。


RSNには週末などに気軽に受講できるデイクラスと呼ばれる1日クラスや2日間コースなどがあり、旅行者の方にも人気です。プライベートレッスンを受けることもできます。私が通ったのはサーティフィケート&ディプロマコース。他にも大学の学位を取ることのできるディグリーコースやRSN講師養成プログラムもあります。

私が勤務している刺繍スタジオは教室とは別の場所、フォーマルガーデンに面した一階にあります。クライアントの注文通りにそして締め切りに間に合うように刺繍をする仕事はもちろん緊張しますが、針と糸を使って仕事ができる日々に幸せを感じます。

この数か月スタジオの一室で床の張り替え工事があり、最近やっと元通りになりました。スタジオのウール刺繍糸の棚を設置しなおしているところ。

現在スタジオでは、Stories in Stitchというエキシビションが開催されています。スタジオの工事で開催が一時中断されていましたので、開催時期が今年の8月まで延びました。私のスタンプワーク(立体刺繍)の作品も展示されています。機会のあるかたは、ぜひご覧ください。

学校やスタジオを見学するには事前に予約をしていただく必要があります。学校のウェブサイトのリンクはこちらです。→ Royal School of Needleworkウェブサイト

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