2019年2月28日木曜日

ジョン・ラスキン

「雅子さん、もうブログはやらないんですか?」と言われて、「ああ本当にブログを放置状態にしてしまっている」と猛反省しております。
さて、今日の記事はジョン・ラスキン展について。

私は週に一回シティー・オブ・ロンドンのセントポール大聖堂へ教会刺繍のボランティアに行っているのですが、そこからそんなに遠くないところにテンプルという地区があります。15年ほど前に大ヒットした小説ダ・ヴィンチ・コードでとりあげられたので知っていらっしゃる方も多いかと思います。
そのテンプル地区のTwo Temple Placeというゴシック建築のお屋敷で、ジョン・ラスキンの展示が開催されています。

ジョン・ラスキンは19世紀末の美術評論家、社会思想家で、ウィリアム・モリスに多大な影響を与えたといわれています。若いころの写真。

今年はジョン・ラスキンの生誕200年を記念していろいろなイベントが企画されています。このラスキン展はまずロンドンで。その後イギリス北部のシェフィールドで開催されます。ここからは画像が続きます。

建物の入り口。もうすでにワクワクします。
ゲストブックの置いてある窓辺にはモリス柄の壁掛けがありました。
冷たい雨の日だったのに、思った以上に人がいる!
2階にも展示は続いています。
建物自体が素晴らしくてため息が出ます。
写真を撮ってはいけない展示物もあったので、気を遣いました。
私も座って鑑賞したかったけれど、空席なし。
モリスのケルムスコットプレス版の「ゴシックの本質」。
ショップにはモリスの壁紙が。
刺繍家の私としては、英国湖水地方に伝わる刺繍ラスキンレースの展示が1つもないのが少し残念でした。ラスキンレースについてはまた別に記事を書こうと思います。

Two Temple Placeはロンドンの地下鉄ディストリクト線のテンプル駅からすぐ近くです。

このラスキン展は4月22日まで。入場無料です。10時から4時半まで。水曜日は夜9時まで。日曜日は開館が11時から。火曜日が休館ですのでご注意ください。

John Ruskin: The Power of Seeing
26 January 2019 - 22 April 019
Two Temple Place
Embankment, London
WC2R 3BD

公式サイトはこちらです。
https://twotempleplace.org/exhibitions/john-ruskin/



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2018年10月13日土曜日

ロンドンでステッチショー

久しぶりのブログ更新です。
今年も10月にロンドンのアレクサンドラパレスでThe Knitting & Stitching Showが開催されています。
例年通り私が運営している刺繍の会Kew Stitch Clubの会員の皆さんと一緒に団体割引入場券を購入しました。今年は多忙のため行けるかどうか不安でしたがなんとかスケジュールを調整して昨日行ってきました!ショーのサイトはこちら→
ここからは画像でどうぞ。

アレクサンドラパレスの入り口。今年は天候に恵まれました!
入り口を入るとたくさんの編みぐるみがお出迎え。
私のお気に入りはキング・チャールズ・スパニエルのこの子。

私の尊敬するテキスタイルの歴史家、刺繍家のDr Lynn Hulse。
今年の展示で一番感動したのはJenni Dutton というアーティストのThe Dementia Darnings という展示。認知症のお母様の介護の数年間で写真をもとに作品作り。キャンバスにチュールのネットを張ってその上からウールの糸で刺繍。一連の作品はグッと心にせまるものがあり、人ごみの中で涙を隠すのが一苦労でした。



第一次世界大戦終戦から100年を記念したプロジェクト。Embroideres' Guild
の展示。こちらも心を打たれました。
ニードルフェルトのワークショップに参加したり。
友人であるLes Designs のNikki Delport-Wepenerのデモンストレーションを見たり。
とにかく盛りだくさんな一日でしたが、もちろんお買い物も楽しめました。
こちらのおいしそうな(?)糸はStef Francisのもの。制作意欲がわきます。

アレクサンドラパレスでのショーは今週日曜日まで開催されています。
Alexandra Palace
Alexandra Palace Way, London N22 7AY


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2018年6月16日土曜日

ロイヤルウェディング裏話

英国のプリンス・ハリーとメーガン妃のロイヤルウェディングから4週間たちました。もうすでにいろいろな公務で大忙しのおふたり。
(ロイヤルウェディングの写真は全くないので、代わりにハンプトンコートパレスのローズガーデンの画像をどうぞ)

ご婚約が決まってからというもの、「王立刺繍学校がメーガンのドレスの刺繍をするんですか?」と何度質問されたでしょうか。7年前にウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウェディングで王立刺繍学校がアレキサンダー・マックイーンのドレスに刺繍をしたことが再び注目を集めたようです。
スタジオにもいろいろな取材が来ました。どのテレビ局も一応は「こういった番組の内容で。。。」というような口実(?)がちゃんとあるものの、「ところで何か大きなプロジェクトに取り組んでいるんではないんですか?」と聞いてきたり、「キャサリン妃のドレスのときの話を取材に来たけれど、ホントのところ、メーガンのドレスは?」などと直球で質問がきたり。
たくさんの人々にお伝えしましたが、あらためて申し上げると、今回のロイヤルウェディングでは、王立刺繍学校はドレス制作になにもかかわっていません。あのシンプルでエレガントなドレスはジバンシィのもの、コモンウェルス(英連邦)51か国の国花が刺繍されたというヴェールもジバンシィのチームが制作したのです。
つい最近久しぶりに連絡を取り合った友人から「アメリカのテレビに出ていたね」と言われてびっくりしました。そういえば、ロイヤルウェディング関する番組でのインタビューが行われているときに、スタジオで刺繍をする私たちが黒子のようにぼやけた状態ですがバックグラウンドで写っていたようです。自分の記録になるので、リンクを貼ってここに残しておきたいと思います。アメリカのPBSというテレビ局、日本でいうとNHKみたいな感じのところです。お時間のある時に見てみてください。遠く離れてなかなか会えない方々へ近況報告代わりに私の職場の雰囲気をちらっとでもお伝えできればそれだけで嬉しいです。








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2018年6月9日土曜日

王立刺繍学校で動物の刺繍展

ずっと放置状態だったブログ。久しぶりの投稿です。
現在、私の勤務する英国王立刺繍学校の刺繍スタジオにおいて、Animals in Embroideryという動物の刺繍展が開催されています。


刺繍の技法はシルクシェーディングだけでなく、クルーウェルワーク、キャンバスワーク、ブラックワーク、ゴールドワークなどで、いろいろな動物の刺繍を見ることができます。この刺繍展は今年の12月まで開催されていますが、入場するには事前に予約する必要があります。詳しくは、王立刺繍学校のウェブサイトのページへどうぞ。リンクはこちら。


私がまだディプロマコースに在籍していたころに制作した小鳥のロビンのシルクシェーディングの作品も貸し出してほしいという要請をうけて、展示させていただいています。なにか作品に関して一筆書くように、との指示で、次のように書きました。

「ロビンは我が家の庭によく遊びに来て、私を幸せな気持ちにしてくれます。もしもこのロビンの刺繍作品がほかの人たちにもささやかな幸せを運んでくれるとしたらどんなに素晴らしいでしょう。」

いろいろな動物のさまざまな作品が展示されています。ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

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2017年9月1日金曜日

湖水地方でホリデー

今年の夏休みは湖水地方でホリデー。我が家の男性陣はウォーキング好きということもあって、機会があれば毎年のように湖水地方へ出かけます。

イギリスの湖水地方というと、ピーターラビットのビアトリクス・ポターとか、詩人のワーズワースとかが、観光客の方々には有名でしょう。残念ながら(?)我が家の男性陣はそんな観光スポットよりももっぱらトレッキング。50年代か60年代ぐらいにアルフレッド・ウェインライトという人が書いたガイドブックをもとに今年はこのルートにしようとか今度はこの山に登ってみようとか。実はこのウェインライトの湖水地方ガイドブックはロングセラーで、私たちは出版50周年記念バージョンの本を10年以上前に買いました。本のタイトルはA Pictorial Guide to the Lakeland Fellsで、7冊のシリーズになっています。この本のすごいところは、彼自身が描いたイラストです。彼のすすめるルートを歩いていくと本当に今でもその通りの光景が残っているのです。

私は今回はウォーキングは参加せず、湖を見て癒されていました。
今年泊まったのはアンブルサイドという街。15年以上も前に泊まった同じホテルにしました。当時も素敵なホテルでしたが、現在はオーナーが変わって、部屋も食事もすごくアップデートされていて快適な滞在でした。写真はホテルの一角。湖水地方についての本の上で虫眼鏡を抱えているウサギちゃんに目がくぎづけになってしまいました。


Rothay Manor Hotel
Ambleside, Cumbria, LA22 0EH
ホテルのウェブサイトはこちらhttp://rothaymanor.co.uk/

ウィンダミア湖にも歩いて行ける距離で、ある日の午後はボートでボウネスまで行って、丘の上にあるローラアシュレイホテルのThe Belsfieldで湖を眺めながらお茶をいただきました。ローラアシュレイのカタログそのもののようなインテリアでとても優雅な気持ちに。


アンブルサイドへ戻って湖の周辺を散策。ローマ遺跡なのに放牧されている牛たちが当然のように草を食べているのがなんとものどかな湖水地方です。

この地方で採石されるスレートで出来た石垣。簡単に越えられるように階段になっています。
私は今回のホリデー中に刺繍のワークショップに参加するという目的がありました。湖水地方に伝わるラスキンレースと呼ばれる刺繍です。長くなりそうなのでラスキンレースに関してはまた別の記事にして書きたいと思います。

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2017年7月27日木曜日

古い紙幣やコインが使えなくなったら?

ロンドンにはThreadneedle Streetという通りがあります。「糸」と「針」だなんて名前だけでワクワクするのは刺繍オタクの私だけでしょうか。

上の写真の通りのサインの下にUNDERGROUNDとなっているのはここに地下鉄バンク駅への入り口があるからなのです。

前回の記事でジェーン・オースティンの肖像が新しい10ポンド紙幣に使われることを書きました。
今日のニュースでは、今年3月から流通している新しい1ポンドコイン(12角形のもの)が古いコインよりも多くなり、今年の10月15日から古い1ポンドコインは使えなくなるという情報が。
5ポンド札も今年の5月5日を境に、新しい5ポンド札(ウィンストン・チャーチルの肖像が使われているプラスチックのような手触りのお札)しか使えなくなったばかり。
使えなくなった後でもしばらくの間は街の銀行や郵便局で交換してもらえますが、ずいぶん後になってから古いお金が見つかったらどうすればいいのでしょう?

実は私も経験があるのです。タンスの奥から古~い20ポンド札が数枚出てきたことが。へそくりとしてタンス貯金していた記憶などなかったし、旧20ポンド紙幣は2010年6月で流通中止になっていましたから、7年も経っているし「ええ~どうしよう!」という感じ。

さっそく調べると、イングランド銀行に行けば交換してもらえることが判明。何年たっていようが、お金の価値は変わらないそうです。イギリスに旅行に来たあと「次にまた行くからとっておこう」と古いお札を持ったままの方でも安心ですね。

イングランド銀行はシティーのバンク駅降りてすぐです。私は毎週セントポール大聖堂に刺繍のボランティア活動に行っていますから、ボランティアの日についでにバンクまで歩いていきました。

上の画像はイングランド銀行すぐ隣のロイヤルエクスチェンジ。今は高級ショッピングモールとなってしまった旧王立取引所です。ウェリントン将軍のブロンズ像の下にもThreadneedle Streetのサイン。

肝心のイングランド銀行は恐れ多くてカメラを向けることができませんでした。古いお金を持っている人も持っていない人も、いちど行ってみられては?実はBartholomew Lane側の入り口からイングランド銀行博物館に入ることができます。ロンドンの数ある博物館同様、入場料は無料です。

Bank of England

Threadneedle Street
London, EC2R 8AH

Counter opening hours
Monday to Friday: 9:00am - 4:00pm
Closed weekends & Bank Holidays

Bank of England Museum

Bartholomew Lane
London, EC2R 8AH

Opening hours
Monday to Friday: 10:00am - 5:00pm
Last entry: 4:30pm
Closed weekends & Bank Holidays

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2017年7月18日火曜日

ジェーン・オースティンと刺繍

前回の記事を更新してから随分と時間がたってしまいました。めまぐるしいほどの忙しさもだんだんと落ち着いてきましたので、これから頑張って記事をアップしていきたいと思います。

今日7月18日にイングランド銀行が新しく発行する新10ポンド札のお披露目がありました。日本でも紙幣が新しくなると誰の肖像が使われるかと話題になりますが、今回のイギリスの新10ポンド紙幣に登場するのは、イギリスの著名な作家ジェーン・オースティンです。

新しい紙幣が私たちの手元に出回るのは9月になってからですが、ジェーン・オースティンの没後200年を記念するイベントの一環として、新しい10ポンド札のお披露目がウィンチェスター大聖堂にて行われました。この大聖堂にジェーン・オースティンは葬られているのです。

このニュースを読んで、私は以前ジェーン・オースティンが住んでいた家を訪ねた時のことを思い出しました。ハンプシャー州のチョートンという村にあるジェーン・オースティン・ハウス博物館です。(住所はこの記事の最後を参照ください)

私は車で出かけましたが、公共交通機関を使っても訪ねることができるそうです。

学生時代にイギリス文学に興味があったわけではないので、彼女の小説を読んだり小説をもとに作られた映画やテレビドラマを見たのはイギリスに住むようになってからでした。彼女にゆかりのあるウィンチェスターやバースの街ではなく、なぜこの小さな村のコテージへ行ってみたかったのかというと、ジェーン・オースティン自身が刺繍をたしなんでいて、その作品が見られるということを知ったからなのです。

ここからは写真が続きます。まずはジェーン・オースティン自身の作品。モスリンのショールです。このホワイトワークのサテンステッチを見ると彼女がとても丁寧に美しく刺繍する人だったことがうかがえます。
ジェーン・オースティンが姪っ子に作ってあげたニードルケース。
ジェーンのソーイングケース。コットンとシルクの糸が入っています。
ジェーンの姉カサンドラの作品。とても魅力的なサンプラーです。

没後200年を記念してますます注目されるジェーン・オースティン。イギリスに来た当初はなぜ彼女の小説がそんなに高く評価されるのか正直言って私は理解できませんでした。でも彼女の小説を通して18世紀や19世紀のイギリスの中流階級の社会の様子を知るようになりました。映画などで女性たちが刺繍をするシーンがあるとワクワクしました。今でもたくさんの人々に愛されているジェーン・オースティン。新しい10ポンド紙幣に女性として初めて(女王陛下以外で)彼女が選ばれたことも納得、という感じです。

ジェーン・オースティンが晩年過ごした家の住所はこちら。ウェブサイトもあります。

Jane Austen's House Museum
Winchester Road
Chawton
Hampshire
GU34 1SD



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